超伝导体中の「ヒッグスボソン」 巨视的量子状态を光で制御する新たな可能性を拓く
液体から固体への変化のように、秩序のない(対称性の高い)状态から秩序のある(対称性の低い)状态に物质が相転移する现象は、南部理论によれば「対称性が自発的に破れた」と呼ぶ。相転移が生じ対称性が自発的に破れると、これに付随して物质全体に亘って二种类の揺らぎ(振动)が生じる。一つは秩序を特徴づける量の大きさの振动であり、もう一つはその位相の振动である。低い温度に冷却された物质の电気抵抗がなくなる「超伝导」も相転移现象の一つである。超伝导の秩序の大きさの振动は、素粒子物理で最近発见されたヒッグス粒子(ヒッグス?ボソン)と类似性があるため近年はヒッグスモードとも呼ばれる。超伝导のヒッグスモードは、电荷も电気分极もスピンも持たず、光で揺らすことも観测することも困难で、その性质の解明はほとんど进んでいなかった。

© 2014 島野 亮
振动周期约1ピコ秒(1兆分の1秒)の光(テラヘルツ波)を超伝导体に照射すると、超伝导体の巨视的な秩序がヒッグスモードの共鸣効果によって振动する。このとき、照射したテラヘルツ波の3倍の周波数の电磁波が超伝导体から放射される。
今回、東京大学低温センター 島野亮教授、同大学院理学系研究科物理学専攻 松永隆佑助教、青木秀夫教授、辻直人特任助教らの研究グループは、テラヘルツ波と呼ばれる波長0.3mm程度の光を強く超伝導体に照射すると、非線形効果によってヒッグスモードが光(テラヘルツ波)と共振することを発見した。さらに、このとき超伝導を担う電子対が一斉に揃って振動することによって、超伝導体は照射したテラヘルツ波の3倍の周波数を持つ電磁波(第3高調波)を効率よく放射することも見出した。
本研究成果は超伝导体をテラヘルツ帯の周波数変换素子として応用することや、光で超伝导を超高速に制御する手法について新しい道を拓くものである。
论文情报
Ryusuke Matsunaga, Naoto Tsuji, Hiroyuki Fujita, Arata Sugioka, Kazumasa Makise, Yoshinori Uzawa, Hirotaka Terai, Zhen Wang, Hideo Aoki, Ryo Shimano,
“Light-induced collective pseudospin precession resonating with Higgs mode in a superconductor” ,
Science Online Edition: 2014/7/10 (Japan time), doi: 10.1126/science.1254697.

