植物における「匂い受容体候补」の発见 鼻がない植物が匂いを嗅ぐ仕组みの一端を解明
植物が病害や食害诱导的に匂い物质を放出し、それに応答することは知られていましたが、匂い物质をどのようなメカニズムで受容しているのかはわかっていませんでした。本研究では、&蝉锄濒颈驳;-カリオフィレンという匂い物质とタバコに着目し、&蝉锄濒颈驳;-カリオフィレンと结合する転写制御因子が「匂い受容体」として机能している可能性を示しました。
© 2019 東原和成
植物は、匂いを感じて防御体制をとったり、自分の生育を调节したりすることが知られていましたが、鼻も神経もない植物がどのように匂いを感知するか知られていませんでした。东京大学大学院农学生命科学研究科の东原和成教授らの研究グループは、モデル植物としてタバコを用いて実験したところ、叶の细胞の核内で遗伝子の転写を制御するのに関わっているタンパク质が匂いセンサーとなっていることを见出しました。
自然环境下において、昆虫に食べられた植物の周辺に生育している植物は、昆虫に食べられにくくなることが报告されています。つまり、植物は匂いでコミュニケーションをとっていると考えられます。しかし、植物には、哺乳类で见られるような细胞膜に组み込まれた嗅覚受容体のようなものは存在しません。植物の细胞では匂いがどのように感知されるのか、植物には动物のような「嗅覚」は存在するのかは、大きな疑问でした。
研究グループはまず、タバコ由来の培養細胞やタバコ個体が、アロマオイルなどに含まれるß-カリオフィレンとこれに似た構造の匂い物質に暴露されると、ある抵抗性遺伝子が特異的に発現誘導されることを見出しました。次に、ß-カリオフィレンの分子構造を認識する「匂い受容体」を探索した結果、TOPLESSという核内の転写制御因子が、ß-カリオフィレンを「鍵と鍵穴」のように認識するタンパク質であることが明らかになりました。実際に、TOPLESS タンパク質を多く持つ組み替えタバコ培養細胞と組み替えタバコ植物体を作出して、ß-カリオフィレンに対する応答を解析したところ、TOPLESSは抵抗性遺伝子の発現制御に関わっていることが示唆されました。
本研究の成果は、植物においては、动物がもつ细胞膜上の嗅覚受容体とは异なり、核内に存在する転写制御因子が匂い物质を感知する「匂い受容体」として机能している可能性を初めて示唆します。本研究成果を応用することで、香りを利用して食害や病害に强い植物の作製が可能になることが期待されます。
论文情报
Ayumi Nagashima, Takumi Higaki, Takao Koeduka, Ken Ishigami, Satoko Hosokawa, Hidenori Watanabe, Kenji Matsui, Seiichiro Hasezawa, and Kazushige Touhara, "Transcriptional regulators involved in responses to volatile organic compounds in plants," Journal of Biological Chemistry: 2018年12月28日, doi:10.1074/jbc.RA118.005843.
論文へのリンク ()

