硫化水素を利用した生物の情报伝达の理解に大きな一歩 硫化水素センサータンパク质とヘムの関係性を示す世界初の成果

硫化水素のない条件において厂辩谤搁は顿狈础に结合し、転写を抑制している。硫化水素がある条件では、硫化水素により过イオウ化分子が生成され、それにより4つのイオウを介した架桥が厂辩谤搁の分子内にできる。これによって构造が変化し、顿狈础への结合能を失う。その结果、搁狈础合成酵素が顿狈础に结合して遗伝子の転写が起こる。一方、ヘムがある条件では、ヘムが结合することで厂辩谤搁の构造が変化し、顿狈础への结合能を失うことで、遗伝子の転写が起こる。
© 2020 清水 隆之
東京大学大学院総合文化研究科の清水隆之助教、増田建教授、新井宗仁教授、林勇樹助教、東京工業大学地球生命研究所の Shawn E McGlynn 准教授、東京工業大学大学院生命理工学院の増田真二准教授らの研究グループは、細菌における硫化水素を利用した情報伝達にヘムが関与することを世界で初めて明らかにしました。
近年、毒物として有名な硫化水素が、ほぼ全ての生物で様々な生理活性の调节に関わることがわかってきました。硫化水素による情报伝达では、イオウ原子が过剰に付加した低分子(过イオウ化分子)を介したタンパク质の过イオウ化修饰が重要です。以前、清水助教らの研究グループは、过イオウ化分子を検知するセンサータンパク质として厂辩谤搁というタンパク质を同定しました。厂辩谤搁を含めた过イオウ化分子センサータンパク质のいくつかは、金属?非金属センサータンパク质の仲间であることがわかっていましたが、その意味はわかっていませんでした。
清水助教は、厂辩谤搁タンパク质を精製している际に、タンパク质溶液が黄色いことに気づきました。その后の详しい解析から、厂辩谤搁にはヘムが特异的に结合することを突き止めました。さらに、ヘムが结合することで厂辩谤搁の立体构造が変化し、その机能を変化させることがわかりました。ヘムに含まれる鉄は硫化水素からの过イオウ化分子の生成を手助けする可能性があります。したがって、硫化水素による情报伝达では、过イオウ化分子の増加だけでなく、ヘムの増加も重要であることが考えられます。厂辩谤搁が过イオウ化分子に加えてヘムを検知できることは、硫化水素による情报伝达に速やかに応答することを可能にしていると考えられます。
今回の成果は、硫化水素を利用した情报伝达に金属?非金属センサータンパク质の仲间が関与することに意味を见出す重要な発见です。研究が进めば、硫化水素が関与する生理机能の疾患に対する新たな治疗法の开発へとつながることも期待されます。
「硫化水素による生理活性の制御に関わる研究は、ここ数年で世界的に広く展开されつつあります。こうした状况の中、世界に先駆けてヘムが硫化水素による情报伝达に重要であることを示せたのは、东大で増田建先生、新井先生、林先生のご协力を得られたことが大きいと思います」と清水助教は话します。「これまでの私たちの研究から、厂辩谤搁は硫化水素による情报伝达机构を解明する有用なモデルとなると确信しています」と今后の研究の発展に意欲を示します。
论文情报
Takayuki Shimizu, Yuuki Hayashi, Munehito Arai, Shawn E McGlynn, Tatsuru Masuda, Shinji Masuda, "Repressor activity of SqrR, a master regulator of persulfide-responsive genes, is regulated by heme coordination," Plant and Cell Physiology: 2020年11月10日, doi:10.1093/pcp/pcaa144.
論文へのリンク (, )

