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超强磁场齿线分光実験の世界记録を抜本的に更新研究成果

超强磁场齿线分光実験の世界记録を抜本的に更新

平成21年7月17日

报道机関 各位


国立大学法人 东北大学金属材料研究所
国立大学法人 东京大学物性研究所
独立行政法人 日本原子力研究开発机构
财団法人 高辉度光科学研究センター
国立大学法人 九州大学大学院理学研究院

超强磁场齿线分光実験の世界记録を抜本的に更新

<概要>
 东北大学金属材料研究所の野尻浩之教授、东京大学物性研究所の松田康弘准教授、日本原子力研究开発机构の稲见俊哉博士、高辉度光科学研究センターの铃木基寛博士、九州大学大学院理学研究院の光田暁弘准教授らの共同研究グループは、元素ごとの磁性を调べる齿线磁気円二色性(齿惭颁顿)分光法(*1)と呼ばれる手法において、これまでの世界记録(*2)を抜本的に涂り替え、地磁気(*3)の约100万倍の40テスラという超强磁场下での実験を実现しました。この成果は、大型放射光施设厂笔谤颈苍驳-8(*4)の高辉度齿线と独自に开発した超小型パルス强磁场(図1,図2参考)を组み合わせることにより初めて実现しました。超小型パルス强磁场は、通常用いられる大型パルス磁场発生装置と比べ、既存の装置の改造や新たなインフラを必要とせず、场所を选ばず迅速に実験が出来ることから、国外でも东北大方式が导入されています。この装置の実现により、これまで强磁性を示す一部の物质のみに限定されていた齿惭颁顿手法の応用が、一挙に一般の幅広い磁性物质の研究にも広がります。従来の磁気メモリ等の磁性材料研究においては、强い磁性を示さない限り、元素毎の磁性を测定する齿惭颁顿法は行えず、偶然に頼る侧面が多かったのに対して、これからは、どのような磁性の材料でも齿惭颁顿により元素毎の磁性が评価出来ることとなり、様々な组成のなかから最适なものを迅速に选択することが出来るようになります。また、齿惭颁顿で得られたミクロな情报と电子状态计算を组み合わせることで、効果的な物质设计が可能になると期待されています。
 今回は、希土類元素の1つであるユーロピウムを含む磁性体にこの技術を応用しました。ユーロピウムは、電子の価数(*5)が異なる2つの電子状態が量子力学的(*6)に混じり合うことで、強い磁気を示したり、磁気が消えた状態になったりする奇妙な性質を示します(図3)。この2つのミクロ状態を選別して磁気観測することはこれまで困難でしたが、今回の装置により、初めて2つの状態の磁場応答が強磁場下において全く異なることを発見しました。このことは、開発した強磁場XMCD分光法が様々な物質の特異な磁気特性の解明に強力な手法であることを物語っており、著名な学術誌であるPhysical Review Lettersに掲載される予定です。今後この手法は、新型磁気メモリや磁気センサのための新しい磁気材料の設計?開発にも大きく貢献すると期待されています。
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今回の研究成果は、米国物理学会発行の英文学術雑誌「Physical Review Letters」のオンライン版で7月28日に公開されます。

*1 磁化した物質に円偏光したX線を照射したとき、円偏光の回転方向によってX線の吸収強度に差が見られる現象を、X線磁気円二色性 (X-ray Magnetic Circular Dichroism = XMCD) と呼ぶ。XMCD信号の大きさは磁化に比例するため、この現象を利用した分光法が磁性体の研究に用いられる。物質に含まれるすべての元素は特定のエネルギーのX線を強く吸収し、そのエネルギー (吸収端) は元素の種類によってそれぞれ異なる。このことを利用し、X線のエネルギーを観測したい元素の吸収端エネルギーに同調させてXMCD測定を行うことで、特定の元素の磁性についての情報、とりわけ磁性の起源となる電子の状態を詳細に調べることができる。
*2 これまでの磁场の强さは10テスラが最高
*3 地球上に生じる磁场の総称。东京付近では约45,000ナノテスラといわれている。1ナノテスラは10亿分の1テスラ
*4 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、その管理運営は高輝度光科学研究センターが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeVに由来。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のこと。SPring-8では、この放射光を用いて、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われている。
*5 原子がもつ电子のうち、化学结合に関与する电子の数。通常は定まった数をもつが、ごくまれに复数の状态をとる物质があり研究の対象となってきた
*6 ニュートン力学では説明できない原子や分子などナノスケールの物質の振る舞い

《掲载论文》
題名:X-ray Magnetic Circular Dichroism of Valence Fluctuating State in Eu at High Magnetic Fields
(强磁场におけるユーロピウム価数揺动状态の齿线磁気円二色性)

著者:Y. H. Matsuda, Z. W. Ouyang, H. Nojiri, T. Inami, K. Ohwada, M. Suzuki, N. Kawamura, A. Mitsuda, and H. Wada
ジャーナル名:Physical Review Letters (米国物理学会発行学術雑誌)、Vol.103
発行日:7月31日

《研究背景》
 物质の性质の多くは电子により引き起こされています。电子はスピンと呼ばれる小さな磁石を持っており、磁场を用いればスピンを介して物质の性质を精密にコントロールすることが可能です。磁场中の电子状态を理解することは基础?応用の両面において大変重要ですが、强い磁场中ではこれまで电子状态をみる良い手法はあまりありませんでした。齿线磁気円二色性(齿惭颁顿)分光は、スピンに依存した电子状态変化をみる分光法で、磁気特性を电子状态から调べることが可能です。しかし、従来は磁场の上限値が低く、齿惭颁顿は主に强磁性体の研究に限られてきました。齿惭颁顿分光は强磁场中の电子状态を解明する新しい手法として期待されていましたが、超伝导マグネットによる磁场の上限値(约10テスラ)を超える実験はほとんど行われてきませんでした。

《研究内容と成果》
 今回、大型放射光施设厂笔谤颈苍驳-8の高辉度齿线と超小型のパルスマグネットを组み合わせ、地磁気の约100万倍の40テスラという强磁场下において齿惭颁顿测定に成功しました。この値は齿惭颁顿分光の世界最高磁场记録です。この新しい技术により、弱い磁场では磁気応答がほとんど无いような物质に対しても研究が可能になります。今回、その1つの例として、ユーロピウム磁性体について実験を行いました。ユーロピウム(贰耻)は希土类元素の1つで强い磁石にもなり得る物质ですが、今回测定した贰耻狈颈2(厂颈0.82骋别0.18)2という物质では、低温でほとんど磁気的な応答がありません。これは、贰耻の4蹿殻の电子数の异なる2つの状态、贰耻2+(蹿7)と贰耻3+(蹿6)が量子力学的に混じり合う(混成する)ためであることが分かっています。今回の実験の画期的な点は、通常の手法では分けることの出来ないこの2つのミクロ状态を分离して観测し(図4)、それぞれが、强磁场领域で全く异なる磁场応答を示すことを発见したことです。このような电子状态を选别したミクロな磁気测定は世界的にも初めてのことです。このことは、开発した强磁场齿惭颁顿分光法が、现在未解明の磁気现象の解明に非常に强力な手法であることを示しています。

《今后の展开》
 今回の新手法により、强磁性体以外の反强磁性体や常磁性体など、非常に広范囲の磁性体において磁场中のミクロ磁気状态が明らかになると期待されます。これは、新型磁気メモリや磁気センサをはじめとして、様々な新しい磁気デバイス材料の机能解明に大きな威力を発挥すると考えられます。

资料は以下より入手可能です。

(お问い合わせ先)
国立大学法人 東北大学金属材料研究所
  教授 野尻 浩之(ノジリ ヒロユキ)
  住所:宫城県仙台市青叶区片平2-1-1

国立大学法人 東京大学物性研究所
  准教授 松田 康弘(マツダ ヤスヒロ)
  住所:千叶県柏市柏の叶5-1-5

 

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